世界一すばらしい朝食を『ヴィラ・サンミケーレ』

4月恒例の家具の展示会ミラノサローネの後、フィレンツエへ行きました。
泊まったホテルは、ミケランジェロがファサードを設計したというベルモント・ヴィラ・サンミケーレ。

堂々たるファサード。ここにミケランジェロが立って眺めていたのですね。

こちらのホテルはフィレンツエの中心地からタクシーで20分くらいのフィエーゾレという町にあります。美しいフィレンツエの眺めを一望する丘の上に佇んでおり、木や花たちがあふれんばかりにホテルを取り囲んでいる様は、まるで「私、間違って天国へ来たの?」と思ったくらいです。
15世紀に修道院として建てられた建物は、一歩足を踏み入れるとタイムマシーンに乗って中世に来たかのような美しい空間が広がります。

丘は樹木や花であふれています。向こうに見えるのはフィレンツエ市内。

フィレンツエの象徴であるドウーモの絵が。

ホテルレセプションの隣の空間。ロビーのような場所です。ここはかつては中庭だったのを、ガラスの屋根をつけて室内にしたそうです。クラシックすぎないインテリアは、モダンな家具を配しているからですね。

そして、世界一の朝食をこのダイニングでいただけます。今回の旅は、この朝食のためにきたと言っても過言ではありません。10年以上前に雑誌で知り、いつかは行ってみたいと夢見ていたダイニング。

フィレンツエ市内が一望できるテーブルに座って朝食をいただけます。

ワインのボトルのようですが、オリーブオイル。イタリアではこのように常にオリーブオイルが日本のお醤油みたいにテーブルにあります。

はるか向こうにはフィレンツエの象徴であるドウーモの丸い屋根が見えます。ここは天国?と感じた瞬間です。

建物は木や花で覆われていて、この中に部屋が埋もれています。

ダイニングから続くテラス。歴史の授業で使えるくらいのヴオールト天井。

プールは一番高い場所に。まだ寒いので誰もいないのですが、ちゃんと営業しているところが豊かな雰囲気。

中世からの壁画。少しものものしささえ感じました

壁構造なので意外と間仕切りが多いのですが、上手にコーディネートされています。ここは式典などのスペースのようです。

こんな遊び後ごろのあるアートが。さすがイタリアです。家具はモダンなテイストのものが。これがクラシックすぎないポイントです。

ダビンチも真っ青です。

うふふふと思わずこぼれてしまいます。

そして私が泊まったお部屋はこちらです。

フィレンツエにふさわしい花のようなファブリックのコーディネート‼︎

窓辺にはこのようにお茶できるレイアウトが。ヨーロッパの人にとってお茶タイムは当たり前で自然なものであるようです。

バスルームもテラコッタ色。重厚なドアの向こうにはトイレが。

嬉しい手書きのウエルカムカード。一人旅ではなおのこと。

石の文化イタリア。惜しげもなくあちらこちらに。

嬉しい。アメニティはブルガリ。ブルガリの香りは大好きなんです。

その土地のなじみの良いカラーは土の色が基本だと言われます。
テラコッタはイタリア語で「焼いた土」。テラコッタ色を基本にファブリックなどのコーディネートがなされています。
これが、自然でなじみの良い美しいカラーコーディネートの理由なのかなと思いました。イタリアに来て思うのは、イタリア人は自分たちのアイデンティティを大切にしていること。ずっと残っているもの、身の回りにあるものを基本にして、そこに新しいものを組み合わせてデザインしていることです。これは私たちの今後のデザインヒントになります。
私にしかできないことは何? 私だからできることは? という問いかけが、帰国してからもずっと私の心の中で響いています。

LETTERS from RIDEAUX ; Blog, Seminar, Column